懲戒処分の種類と減給処分を行うときの留意点

従業員が労働契約の内容に違反したり、就業規則の服務規律を守らない場合に、会社は懲戒処分を下すことがあります。懲戒処分を下すためには、事前に就業規則にその内容を定め、その規定に基づいて対応する必要があります。以下では一般的な懲戒処分の種類と、減給処分を行う際の留意点を確認します。

 

懲戒処分の種類

懲戒処分は、いくつかの段階を設けて、懲戒すべき事案が発生するたびに、どの懲戒処分を下すかを決定します。厚生労働省が公開する「モデル就業規則(平成31年3月)」では、以下の4種類の懲戒処分を設けています。

①けん責
始末書を提出させて将来を戒める。

②減給

始末書を提出させて減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃⾦の1日分の5割を超えることはなく、また、総額が1賃⾦⽀払期における賃⾦総額の1割を超えることはない。

③出勤停止
始末書を提出させるほか、〇日間を限度として出勤を停⽌し、その間の賃⾦は⽀給しない。

④懲戒解雇
予告期間を設けることなく即時に解雇する。この場合において、所轄の労働基準監督署⻑の認定を受けたときは、解雇予告⼿当(平均賃⾦の30日分)を⽀給しない。

 

なお、降格や降職、諭旨解雇(諭旨退職) 等、これら以外の懲戒処分を定めることも認められています。

 

 

減給の上限

②減給」は、よく見かける懲戒処分の一つです。減給の計算をする際には、次の上限に留意が必要です。

1回の減給⾦額は、平均賃⾦の1日分の半額以下

• 同⽉内に減給処分を⾏うべき複数の懲戒事案が生じても、減給の総額は⼀賃⾦⽀払期の賃⾦総額の10分の1以下

 

 

賞与で減給を行う際の留意点

減給は賃金で行いますが、賞与で行うことも認められています。この場合の留意点は、次の通りです。

• 賞与から減給を⾏う旨を、就業規則に定めておくこと

• 上記の減給の上限を超えることはできない

 

なお、賞与の支給額を会社の業績や、賞与の算定期間中の人事評価に基づいて決定することがあります。この際、懲戒事案がこの人事評価のマイナスの要素となり、結果として減給の上限を超える額が賞与支給額から減額されたとしても、問題はありません。

 

 

減給の上限は、従業員の生活を過度に脅かすことのないように、設けられたものです。そもそもの事案に対する処分として、減給が妥当なのかを十分に検討するとともに、誤った取扱いをしないようにしましょう。

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