2019年4月より電子メール等による労働条件の明示が可能に

雇用契約を締結する際、会社は労働基準法の定めに従い、従業員に対して労働条件を明示する必要があります。明示する労働条件の一部については、書面で行うことが義務付けられていますが、労働基準法施行規則が改正され、2019年4月から書面以外で明示する方法が認められることになりました。

 

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書面での明示が必要な労働条件

労働基準法で定められている労働条件の明示事項は全部で14項目あります。そのうち、以下の①~⑥(⑤のうち、昇給に関する事項を除く)については、従業員への書面の交付による明示が義務付けられています。

① 労働契約の期間に関する事項
② 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
③ 就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
④ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、
  休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
⑤ 賃⾦(退職手当及び臨時に⽀払われる賃⾦等を除く。)の決定、計算及び⽀払いの方法、
  賃⾦の締切り及び⽀払いの時期並びに昇給に関する事項
⑥ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

 電子メール等を用いた明示

前述の項目について従業員が希望した場合には、ファクシミリの送信や電子メールなど書面以外により明示することが、2019年4月から認められることになりました。ただし電子メール等で明示するときには、従業員自身が電子メール等の記録を出力することにより、書面を作成することができるものに限るとされているため、この条件を満たしているかどうかを確認しておく必要があります。

 

パートタイマーに必要な明示事項

パートタイマーやアルバイトなどのパートタイム労働者については、前述の項目に加え、パートタイム労働法により、次の4項目について、文書の交付等による明示が義務付けられています。

① 昇給の有無
② 退職手当の有無
③ 賞与の有無
④ 雇用管理の改善等に関する事項に係る 相談窓口

 

これらの項目は、すでにファクシミリの送信や電子メールの送信が認められています。ただし電子メール等で明示するときには、前述と同様、従業員自身が電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できることが、条件となっています。

特に有期契約のパートタイム労働者が多い企業では、労働条件通知書を書面で作成し、交付することに多くの時間を割いているかと思います。また、労働条件の明示が適切に行われていなかったことでトラブルが発生することもあります。電子メール等での交付も含め、こ れを機会に労働条件の明示の徹底を進めておきたいものです。

 

 

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