年次有給休暇の取得義務化に関する実務上の注意点

働き方改革関連法が順次施行されることに伴い、4月から年10日以上の年次有給休暇(以下、年休)が付与される従業員について、使用者は年5日の年休を確実に取得させることが義務となります。この年休の取得義務化に関する通達が、昨年12月に厚生労働省より発出されたことから、実務上の注意点を確認しておきましょう。

 

取得日の指定と就業規則の変更

年休の取得義務化により、使用者は年5日の年休について、従業員に取得を希望する時季を聞き、その希望を尊重しつつ取得日を指定し、取得させる必要があります。ただし、従業員が自ら取得した日数や労使協定による計画的付与で取得した日数(いずれも取得する予定の日数を含む)はこの5日から差し引くことができます。

なお、今回新設された使用者による時季指定を行う際には、就業規則に時季指定の対象となる労働者の範囲や時季指定の方法などを記載する必要がありますので、就業規則の変更を忘れずに行うようにしましょう。

 

取得義務化の対象者

今回の取得義務化の対象者には、管理監督者や年10日以上の年休が付与されるパートタイマーも含まれます。また、年度の途中に育児休業等から復帰した従業員も対象者となるため、復帰後に年5日を取得させる必要があります。ただし復帰した日によっては、年休を取得させることとなる残りの期間の労働日数が、使用者が取得日の指定を行う必要のある年休の残日数より少なく、5日を取得させることが不可能なこともあります。このような場合は対象になりません。

 

年5日の対象となる年休の単位

年休は、1日単位で取得することが原則ですが、通達で半日単位での取得も認められています。また、労使協定を締結することで時間単位での取得も認められています。

今回の取得義務化では、半日単位の年休については、取得義務化となる5日から差し引くことが認められます。これに対し、時間単位の年休については、使用者が取得日を指定する年休に含めることはできず、従業員が自ら取得したときであっても、取得義務化となる5日から差し引くことはできません。

既に時間単位の年休を認めている場合はもちろん、今後予定している場合も、この点を押さえておきましょう。

 

年休の取得義務化では、従業員に確実に年休を取得させる必要があります。仮に、使用者が指定した取得日に、従業員が取得を希望せず勝手に勤務をするというケースも想定されます。その場合は、その日について年休を取得したとは判断されません。その結果、年5日の年休を取得しない従業員が発生したとしても、法違反の指摘を免れることはできません。罰則が定められた制度であり、法律の施行が4月からのため、対応に向けてお困りのことがあるときには、労働基準監督署等にご相談ください。

 

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください